■ロスの定理(その3)
[1]ペル方程式
x^2−2y^2=1には自然数解が無限個ある.
[2]トゥエ程式
x^3−2y^3=1には自然数解が有限個しかない.
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ロスの定理はkのある値に対して,
|α−p/q|>c/q^k
となるcの値が存在することを証明したが,cの値を具体的に定めることはできない.そうではあるが,特別な代数的数に対しては効果的な結果が得られている.たとえば,ベイカーは超幾何関数の性質を用いて,すべての有理数p/qに対して
|3√2−p/q|>10^-6/q^2.955
が成り立つことを証明した(1964年).n≧3の一般の代数的無理数に対するcの値を具体的に与えられる希望が見えてきたのである.
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