■わか闘争・2016(その2)
たとえば,コクセターの論文と同じことをやっても,彼以上の結果は得ることは難しいであろう.高次元空間は直観が効かないからであろうが,高次元幾何学では,21世紀にいるわれわれが往時の文献の誤りを見つけたり,修正したり,新たな解釈を与えることが問われる.
つまり,その批判から始めなければならないのであるが,重要なことはわれわれがどれだけ賢いかを考えてほくそえむことではない.むしろある分野の先駆者でさえもつまづき得るということを理解するすることが重要である.
往時のあるまとまった考えが,今日のわれわれが考えているほど単純ではなく,それらがまだ新しかったころの概念構成にどう取り組んだかを今日的な視点でよく考えることである.その観点から(その1)を補足しておきたい.
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[1]ワイソフ記号は多面体に対応する測地線座標であり,1点を指定することにより,多面体の形が一意に決定される.
[2]座標の値は基本単体の各面からの距離によってパラメトライズされる.
[3]実際に多面体を構成することを考えると,壁からの距離よりも基本単体の頂点を表すと考えた方がよい.すなわち(△P1P2P3,△P0P2P3,△P0P1P3,△P0P1P2)よりも(P0,P1,P2,P3)と解釈するのである.
[4]その結果は0/1記号で与えられ,自然にワイソフ記号の遺伝子解釈をもたらしてくれる.
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