■基本単体の二面角(その322)
ディンキン図形はカルタン行列に対応する平面グラフというわけですが,リー代数との関係をみてみましょう.
[1]SU(n)
SU(n)代数は古典群と呼ばれる代数のうちの一組で,SU(n+1)代数はカルタンによりAnと呼ばれたものです(An=SU(n+1)).
行列式が1のn×n複素ユニタリー行列の群SU(n)のリー代数は,エルミートでトレース0のn×n行列で生成され,それには線形独立なものがn^2−1個あります.
それらの重みはn−1次元空間で正単体,すなわち,SU(2)に対し正三角形,SU(3)に対し正四面体をなします.したがって,SU(n)のディンキン図形は
・−・−・・・−・−・
になり,SU(2)に対するディンキン図形は・,SU(3)に対しては・−・と表されます.
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[2]SO(n)
SO(n)はn×n直交行列の群,すなわちn次元実ベクトル空間における回転群です.nが偶数のとき(n=2m),m個の2次元部分空間に分解でき,そのディンキン図形は
・
/
・−・−・・・−・
\
・
となります.この代数so(2m)はカルタンがDnと呼んだものです.
それに対して,n=2m+1のときのディンキン図形は
・−・−・・・=・
となり,この代数so(2m+1)はBnと呼ばれます.
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[3]Sp(2n)
Aを任意の反対称n×n行列,Sを対称n×n行列,σをパウリ行列として
E(×)A,σi(×)S
の形をした2×2およびn×nエルミート行列のテンソル積(×)の形で与えられる2n×2n行列のなす群は,Sp(2n)のリー代数をなします.
Sp(2n)リー代数はカルタンがCnと呼んだもので,そのディンキン図形は
・−・−・・・=・
となります.
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