■靴ひもの通し方(その4)

 列と列との間の距離を1,同じ列内で穴と穴との垂直距離をhとすると,必要となるひもの長さは

[1]たがいちがいでは

  2+2(n−1){1^2+h^2}^1/2

[2]ジグザグでは

  n+(n−1){1^2+h^2}^1/2+{1^2+(n−1)^2h^2}^1/2

[3]=[1]−[2]=2−n+(n−1){1^2+h^2}^1/2−{1^2+(n−1)^2h^2}^1/2

 微分向きの計算ではないが

[3]’=−1+{1^2+h^2}^1/2−(n−1)/{1^2+(n−1)^2h^2}^1/2

となって,n≧2のとき,必要となるひもの長さは[1]<[2]

===================================

 また,ひもの締まり具合は

[1]たがいちがいでは

  2+2(n−1)/{1^2+h^2}^1/2

[2]ジグザグでは

  n+(n−1)/{1^2+h^2}^1/2+1/{1^2+(n−1)^2h^2}^1/2

 列と列との間の距離を1,同じ列内で穴と穴との垂直距離をhとしたが,もっと一般的な議論では,両者の比をh’(これまでの議論ではh/1)をとして,

[1]h<h’のとき,たがいちがいが最も強い締まり具合となる.

[2]h>h’のとき,ジグザグが最も強い締まり具合となる.

 標準的な靴ならば,h〜h’なのでひもの締まり具合はほぼ同じである.

===================================

 そうであれば,たがいちがいの方を採用すべきということになる.ジグザグではひもの長さの調整は簡単ではないが,たがいちがいではそれが容易だからである.

===================================