■ほとんど完全数(その13)
特別な素数である2を除外して,素数は4で割ると余りが1になるもの(5,13,17,29,37,41,・・・)と3になるもの(3,7,11,19,23,31,・・・)の2種類に分けられます.このうち,4n+1の形の素数は2つの整数の平方の和として表されます.たとえば,
5=1^2+2^2,
13=2^2+3^2,
17=1^2+4^2,
29=2^2+5^2,
・・・・・・・・・
このように,4で割ると1余る素数ならば,p=x^2+y^2となる自然数が存在します.
(a^2+b^2)(c^2+d^2)=x^2+y^2
x=ac−bd,y=ad+bc
しかし,4n+3の形の素数は1つもこのようには表せないのです.この定理はフェルマーの定理と呼ばれ,フェルマーは無限降下法でこれを証明しましたが,その証明は不十分で,100年後のオイラーによって完全な証明がなされています(フェルマー・オイラーの定理).
2平方和定理は「4で割ると1余る素数ならば,p=x^2+y^2となる自然数が存在する」でしたが,フェルマーはまた,
「pが8で割ると1または3余る素数ならば,p=x^2+2y^2」
「pが8で割ると1または7余る素数ならば,p=x^2−2y^2」
「pが3で割ると1余る素数ならば,p=x^2+3y^2」
となる自然数x,yが存在することを発見しました.
p=x^2+y^2,p=x^2+2y^2,p=x^2+3y^2,・・・などの発見は,類体論の序曲をなすものといえるのです.
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