■マルコフ方程式の一般化(その6)
x1^2+x2^2+・・・+xn^2=ax1x2・・・xnについては
a>nのとき、解は存在しない
a=nのとき、すべての整数解は(1,1,・・・,1)から生成される。
1≦a≦nのとき、任意のaに対して、解の有限集合が存在してほかのすべての解を生成する
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昨年末、横浜桐蔭学園の富永正治先生より送られてきた問題を改変。
Nを自然数とするとき、自然数x,y,z,uについて2つの方程式
[1]x^2+y^2+z^2=Nxyz
[2]x^2+y^2+z^2+u^2=Nxyzu
について、次の問いに答えよ。
[Q][1]を満たす(x,y,z)のうち、x=y=zを満たすものとx=y≠zを満たすものをそれぞれ求めよ
[Q][1]を満たす(x,y,z)は無限に存在するようなNを1つ求め、そのうち、x>100を満たすものを1組求めよ
[Q][2]を満たす(x,y,z,u)が無限に存在するようなNを1つ求め、そのときに(x,y,z,u)が無限に存在することを証明せよ
[Q][2]を満たす(x,y,z,u)は無限に存在する。そのうち、x>100を満たすものを1組求めよ
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[Q][1]を満たす(x,y,z)のうち、x=y=zを満たすものとx=y≠zを満たすものをそれぞれ求めよ
x=y=z→3x^2=Nx^3→N=3のとき、x=1→(x,y,z)=(1,1,1)
x=y=1→2+z^2=3z→N=3のとき、z=2→(1,1,2)
[Q][1]を満たす(x,y,z)は無限に存在する。そのうち、x>100を満たすものを1組求めよ
zに関する2次方程式z^2-3xyz+(x^2+y^2)=0
z={3xy+/-(9x^2y^2-4x^2-4y^2)}/2
(x,y,z)が解であれば、z+z'=3xyより(x,y,3xy-z)も解となる
(1,1,1)→(1,1,2)→(1,2,5)→→(2,29,5)→(2,29,169)などなど
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[Q][2]を満たす(x,y,z,u)が無限に存在するようなNを1つ求め、そのときに(x,y,z,u)が無限に存在することを証明せよ
x=y=z=uとすると、4x^2=Nx^4→(x,N)=(1,4),(2,1)
ここではN=4とし、x=y=z=u=1からスタートする。
uに関する2次方程式u^2-4xyzu+(x^2+y^2+z^2)=0
z={4xyz+/-(16x^2y^2z^2-4x^2-4y^2-4z^2)}/2
(x,y,z,u)が解であれば、u+u'=4xyzより(x,y,z,4xyz-u)も→解となる解は無限に存在する。
[Q][2]を満たす(x,y,z,u)は無限に存在する。そのうち、x>100を満たすものを1組求めよ
{u}={1,1,3,11,4,153,・・・}→(1,1,41,153)は[2]の解
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富永先生の解説によると・・・
[1]方程式x^2+y^2+z^2=3xyzをマルコフの(デォファントス)方程式といい、盛んに研究されている。この方程式を満たす自然数の組のうち最大のものを1つに固定すればその組は一意だろうという1913年にフロベニウスによって提唱された「マルコフの単一性予想」は現在まで100年以上数学者を悩ませている未解決問題である。また、フィボナッチ数の奇数項だけでこの方程式を満たす組を構成し続けることもできるなど多くの人を惹きつける話題に事欠かない。
[2]今回の問題はこのマルコフ方程式の係数を変えた、いわば一般形を出題した。簡単な解からスタートしてどんどん新しい解を構成していくアルゴリズムが非常に興味深く、もとのマルコフ方程式においても二分木を作ることができる。
[3]解と係数の関係を用いて漸化式を作ったが、この手法をVieta jumpingといい、ディオファントス方程式で判別式による議論ができないときの手法として有名である。大学入試や競技数学においても、マルコフ方程式についての出題は盛んである、研究する価値は高いだろう
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9月に横浜桐蔭学園で話した内容を、10月に京大数理解析研でも講演したのですが、その後、新規の内容であるという評価になりました。忘却されたマルコフ数が存在することになります。
x^2+y^2+z^2=3xyzについては、その後、
フィボナッチ数、ペル数以外のun+1=mun+nun-1なる数列は属さない
x^2+y^2+z^2=wxyzが解を持つのはw=3,w=1に限られる
なども証明しました。(佐藤郁郎)
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