■ダイヤモンド(その2)
【2】ロンスデール石
ロンスデール石は1967年,アリゾナにある隕石の落下地点で初めて発見された希少な結晶である.同年に人工的に合成することに成功したこの結晶の名前は英国の結晶学者ロンスデールに因んでいる.
ロンスデール格子を真横からみるとダイヤモンドと変わりがないが,真上からみると蜂の巣状に見える.ロンスデール格子はグラファイトに似たところがあり,隕石孔のみから発見されることより衝突下の高温高圧によりグラファイト構造を保ちつつ変性したものがロンスデール石であると考えられる.
ダイヤモンドではすべての六角形がイス型立体配置であったのに対し,ロンスデール石では舟型立体配置が存在する.舟型立体配置はイス型立体配置に較べ構造不安定で,ロンスデール石はダイヤモンドよりも柔らかい.
氷の結晶で酸素原子のみを繋ぐと,ロンスデール石とほぼ同じ形をした結晶になっている.それに対して,ダイヤモンド型の氷の結晶も存在するが,それは高圧環境下で生成された氷である.
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