■量子コンピューティングとアダマール行列(その1)
【2】アダマール行列
アダマール行列Hnは+1か−1の要素をもつn×n行列で,その行と列は互いに直交している.各行または列のノルム(各要素の2乗和)はnであるから, HnHn’=Hn’Hn=nIn
が成り立つ.
最も簡単なアダマール行列は
H2 =[1, 1]
[1,−1]
である.すべての他のアダマール行列はn=4kであることが必要である.
とくに興味深いのは「直積」
H4=H2×H2,H8=H2×H2×H2,・・・
によって,H2から得られるn=2^mのシルベスタ型のアダマール行列で,
[1, 1, 1, 1]
H4 =[1,−1, 1,−1]
[1, 1,−1,−1]
[1,−1,−1, 1]
[1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1]
[1,−1, 1,−1, 1,−1, 1,−1]
[1, 1,−1,−1, 1, 1,−1,−1]
H8 =[1,−1,−1, 1, 1,−1,−1, 1]
[1, 1, 1, 1,−1,−1,−1,−1]
[1,−1, 1,−1,−1, 1,−1, 1]
[1, 1,−1,−1,−1,−1, 1, 1]
[1,−1,−1, 1,−1, 1, 1,−1]
===================================