■√2と√3(その10)

  a1=1,b1=1

  an+1=2an+3bn

  bn+1=an+2bn

を繰り返す.

[Q]このとき,an/bn→?

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[A]

 a1=1,b1=1,a1/b1=1

 a2=5,b2=3,a2/b2=1.6666666

 a3=19,b3=11,a3/b3=1.7272729

 a4=71,b4=41,a4/b4=1.7317073

 a5=265,b5=153,a5/b5=1.7320261

 a6=989,b6=571,a6/b6=1.732049

 an/bn→√3

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√2のディオファントス近似では分数関数

f(p/q)=(p+2q)/(p+q) (Diophantine approximation)として

p1=1,q1=1から始めると 

pn+1=pn+2qn, qn+1=pn+qn

1/1,3/2,7/5,17/12,41/29,99/70,239/169,,, → √2に収束します。このとき、 √2の上下から √2を交互にはさむようにして収束することがわかります。

1/1<7/5<41/29<239/169<<√2<<99/70<17/12<3/2

一方、√3のディオファントス近似では分数関数

f(p/q)=(2p+3q)/(p+2q), p=2,q=1 → √3とすると

2/1,7/4,26/15,97/56,,,となって上からの収束、

f(p/q)=(2p+3q)/(p+2q), p=1,q=1 → √3とすると

1/1,5/3,19/11,71/42,,,となって下からの収束となっていることがわかります。

これらの一次分数近似は、ペル方程式に依拠していて

√2ではp^2-2q^2=(-1)^n・・・符号が交代する

√3ではp^2-3q^2=1・・・符号は不変

という違いがあります

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