■巡回セールスマン問題(その1)

巡回セールスマン問題(TSP)とはn頂点の完全グラフKnのすべての頂点を回って戻ってくる最短ハミルトン経路を問う問題である.

 巡回セールスマン問題(TSP)は特殊な数学パズルではなく,半導体チップの穿孔,遺伝子情報の染色体上の配置,データのDVD上の配置,など実際への応用がたくさんある.

 それまで解かれていない難問を解くと大々的に報じられ、研究者の間で騒ぎになる.しかしながら,TSPについては多項式時間のアルゴリズムは知られていない.これまでの最善の結果は1932年に発表されたO(n^22^n)で計算する解法である.

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【1】巡回セールスマン多面体

 置換行列が完全2部グラフKn,nと対応するのに対して,巡回セールスマン多面体は完全グラフKnに対応している.

 この多面体は(n−1)!/2個の頂点をもつnC2−n=n(n−3)/2次元の多面体である.

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