■無限級数の問題(その41)

 無限大になるところをうまく引き去って有限の値をだすことを,物理学の用語で「繰り込み」といいますが,これらの式は現代数論では当然のことのように使われています.実際,

ζ(−1)=1+2+3+4+・・・=−1/12

は量子力学の真空エネルギー(カシミール力)の計算に使われています.

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1948年、オランダの物理学者カシミールが発表した論文には、真空中に小さな隙間を隔てておかれた2枚の金属板に間に、それまで知られていなかった奇妙な引力が働くはずだという内容には大きな議論が巻き上がった。しかもカシミール力の大きさは

ζ(−1)=1+2+3+4+・・・=−1/12

を利用して計算できるという。

多くの物理学者が半信半疑でいたなか、1997年、シアトルのワシントン大学の実験において、予言通りの引力が観測された。そのニュースの多くの物理学者のみならず数学者を驚かせたのである。

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