■無限級数の問題(その5)

 正の項と負の項がいずれも絶対収束するとき、級数の和の順番は勝手に変えてもよいのですが、そうでない場合は、足す順序によっては級数の和が異なってきます。実は、条件収束級数の場合、級数の項の順番を適当に変えるとどんな値にでも収束させることができることが知られています。

 グレゴリー・ライプニッツ級数

 1/1−1/3+1/5−1/7+1/9−1/11+・・・

も交代級数であり、収束してその値はπ/4になりますが、正の項だけを集めて作った級数

1/1+1/5+1/9+1/13+・・・

は収束せず無限大に発散します。

1/1+1/5+1/9+1/13+・・・

>1/4+1/8+1/12+1/16+・・・

=1/4(1/1+1/2+1/3+1/4+・・・)→∞

より発散は明らかです。負の項だけを集めても同様です。したがって、級数の和の順番は変えてはなりません。

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