■トーシェント関数と非トーション(その115)

nの約数の和をσ(n)であらわす。n自身を除いた約数の和をs(n)=σ(n)-nであらわす。

 s(x)=n

が解を持たないようなnを不可触数と呼ぶ。不可触数は無限に存在する。エルデシュは不可触数が無限にあることを証明した。

n=2,5,52,88,96,,・・・と続く。

88は4番目の不可触数である。その意味は自然数の真約数(その数以外の約数)の和として表せない数ということである。

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ゴールドバッハ予想(いかなる偶数も2つの素数の和で表せる,2n=p+q)はおそらく正しいと思われるので、、5が唯一の不可触数であることがわかる。なぜなら、この予想が正しいとすると、奇数2n+1を考えると,

2n+1=p+q+1(p,qは素数)と表せるならば、s(pq)=2n+1となるからである。

pqの真約数の和は1+p+qであり、2n+1と等しいから、元の奇数は不可触数ではありえない。

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n自身を除いた約数の和をs(n)=σ(n)-nであらわす。

n=12496=2^4・11・71はs^5(n)=nを満たす知られている最小の数である。

k=0,1,2,3,4 (mod5)に対してs^k(12496)は次の値をとる

s(n)=2^4・19・47=14288

s^2(n)=2^4・967=15472

s^3(n)=2^3・23・79=14536

s^4(n)=2^3・1783=14264

s^5(n)=2^4・11・71は5個の鎖になった社交数をなしている

28個の鎖になった社交数も知られている.その最小値は14316である.

k=0,1,2,3,4,・・・、27 (mod28)に対してs^k(14316)は次の値をとる

14316,19116,・・・,17716

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n自身を除いた約数をどう選んで加えても自分自身にはならない数を不思議数と呼ぶ(ベンコフスキー)。

70,836,4030,5830,7192,・・・

70は1+2+5+7+10+14+35=74のどんな部分集合の和にならない

奇数の不思議数は存在するのだろうか?

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