■ラグランジュ・ルジャンドル・ラマヌジャン(その87)

 ラグランジュの定理:どんな自然数でも

  x^2+y^2+z^2+w^2

の形に書ける.それでは,どんな自然数でも

  Ax^2+By^2+Cz^2+Dw^2

で書けるだろうか?

 すべての整数はAx^2+By^2+Cz^2+Dw^2の形に表せるが,それは54通りの組み合わせしかないことが知られている(ラマヌジャン).

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ラマヌジャンのリストは

(1,1,1,1-7)7

(1,1,2,2-14)13

(1,1,3,3-6)4

(1,1,4,x)

(1,2,2,2-7)6

(1,2,3,3-10)8

(1,2,4,4-14)11

(1,2,5,6-10)5

(1,2,6,x)

の54通りである。

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 4変数2次形式では,たとえば,

  2w^2+3x^2+4y^2+5z^2

は1だけを表すことができない.また,(A,B,C,D)の少なくともひとつは1であるから(2,3,4,5)はリストに含まれないのである.

  w^2+2x^2+5y^2+5z^2

は15だけを表すことができない.

 1996年,コンウェイとシュニーバーガーは正定値n元2次形式(変数nの数は任意とする)が1から15までのすべての整数を表せば,それがすべての正の整数を表すことを示した(15の定理).

 もっと限定していえば

  1,2,3,5,6,7,10,14,15

の9つの数を表現するならば,すべての正の整数を表現するという定理である.(8n+7に含まれる。mod15ではないのである。)

この定理を使わないでラマヌジャンのリストを導出できればよかったのであるが、使うしかないようである。

x^2+y^2+z^2+8w^2は7、15を表すことができない。

m>8として、x^2+y^2+z^2+mw^2は1、15を表すことができない。

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 a^2+2b^2+2c^2

a^2+2b^2:0,1,2,3,4,6,8,9,11,12

(0,0)0

(0,1)2

(0,2)8

(1,0)1

(1,1)3

(1,2)9

(2,0)4

(2,1)6

(2,2)12

(3,0)9

(3,1)11

a^2+2b^2+2c^2:0,1,2,3,4,5,6,8,9,10,11,12,13,14

a^2+2b^2+2c^2+2d^2:0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15

a^2+2b^2+2c^2+3d^2:0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15

a^2+2b^2+2c^2+4d^2:0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15

a^2+2b^2+2c^2+5d^2:0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15

a^2+2b^2+2c^2+6d^2:0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15

a^2+2b^2+2c^2+7d^2:0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15

a^2+2b^2+2c^2+8d^2:0,1,2,3,4,5,6,8,9,10,11,12,13,14・・・6,15を表すことができない

a^2+2b^2+2c^2+md^2:0,1,2,3,4,5,6,8,9,10,11,12,13,14・・・6,15を表すことができない

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