■亀とプロペラとソロバン珠(その33)

昨年の秋の京大解析研での研究会での疑問である。

秋山茂樹先生(筑波大学)はここ数回、非周期タイルのご講演をされているのですが、スミス・タイルの亀ばかりで、帽子の方の話が全く出てきません。亀について成り立つ性質と帽子について成り立つ性質に何か決定的な違いがあるのでしょうか? 例えばアンマン棒をオーバービューした時の性質とか?

その時はわからなかったのであるが、アンマン棒が見つかるのはスミス・タイルの亀ばかりであるのだそうだ。アンマン棒は非周期性を証明するのに重要な手がかりであって、あるアンマン棒が出現するのはφ^2/(1+φ^2)=72.3%の無理数となって、非周期性が証明されるのであるという。

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それ以前の私の理解では

(1)帽子と亀でも生成されるタイル張りの性質は同じはず・・・.Smithらの論文の図の大半は,Tile(a,b)の「a=1, b=sqrt(3)」のhat(帽子)を使って書かれていますが,Tile(a,b)の「a=sqrt(3),a=1」のturtle(亀)やその他のものでも(もちろんa=b=1のように裏返しが使えるとaperiodic monotileから外れるものもありますが)同様の規則で(metaltile(H, T, P, F)や,H7・H8によるタイル張り)はできます.

(2)秋山先生と荒木さんの論文でのturtleを使ったタイル張りの図も,hatで作れるはず・・・.ただし,turtleではタイルがきれいに直線に並ぶ視覚的な強みとタイルが備えているAmmannバーの直線との相性が頭抜けていて,それがnon-periodicタイル張りのみしか生成でないという証明において役立つ(他より優位がある)のだろう.

大きな勘違いであった・・・

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