■直観幾何学研究会2025(その4)
最近の数学界では折り紙がブームであるが、山折り谷折りを施して平坦折り可能であるかどうかの判定問題が一つのテーマとなっている。それとは別の話であるが、折り紙の公理というものがあるらしい。
新島愛実先生(JVC Kenwood)は折り紙の公理の一つを取り上げて、3次方程式の解法の話をされた。別の公理では4次方程式の解法に結びつくものと思われる。
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折り紙の折り目による包絡線として円錐曲線を表すことができますから,折り紙は2次方程式を解く力ももっています.折り紙は3次方程式・4次方程式を解く力ももっています.4次を超える能力はありませんが・・・.そのため、5次方程式が現れない限り、解くことができます。
定規とコンパスでは正7,9,11,13,14,・・・角形を構成できませんが,折り紙では2^u3^v+1という形の素数になるとき構成することができますから,構成できない最小の正n角形はn=11であり,以下22,23,25,29,・・・と続き,より多くの正多角形を構成することができます.
2^u3^v+1は3次方程式・4次方程式を解く力をもっていることと同値になります.
たとえば、正19角形の場合、18次方程式z^18+z^17+・・・+z+1=0を解くことになるのですが、18=2・3^2→可能
正13角形→12=2^2・3→可能
正11角形→10=2・3→不可能というわけです
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