■直観幾何学研究会2025(その3)
三角形の重心は頂点からの距離の2乗和を最小にする点であり、フェルマー点は頂点からの距離の2乗和を最小にする点である。
球面三角形での距離の測り方は1-cos(頂点との距離)であり、双曲三角形ではcosh(頂点との距離)-1で与えられる
双対重心の場合、球面三角形での距離の測り方はsin(頂点との距離)であり、双曲三角形ではsinh(頂点との距離)-1で与えられる
===================================
一方、辺からの距離の2乗和を最小にする点は、ルモワール点である。
辺からの距離の和を最小にする点は最大角頂点、最大にする点は最小角頂点と呼ばれる。
===================================
三角形の諸心は現在6万5千ほど知られていて,x1(内心),x2(重心),x3(外心),x4(垂心),x5(九点円の中心),・・・とカタログになっているという。また、それらを図示すると、オイラー線の周り、オイラー線に平行な線の周りに星雲のごとく分布するという。
オイラー線はx3,x2,x4が1:2の比で共線になっているのであるが、x2,x3,x5,x5,x20,x21,x22の7点はオイラー線上にあるという。
===================================
梅原優雅顕先生(東京科学大)は球面S2あるいは双曲平面H2まで生き残るユークリッド平面上の三角形の諸心について話された。
定義の仕方により考え方が異なってくるものであるが、定規とコンパスにより作図可能性を重視する。H2での直線の定義はクラインモデルと円の定義はポアンカレモデルとする。このようにすると、S2上で生き残るE2上の心はH2上でも生き残る(一致の定理)。ただし、共点になるとは限らないという結論であった。
===================================