■変数の数と式の数(その2)
変数の数と式の数がミスマッチのとき、一般に方程式は不能あるいは不定となる。たとえば、
x1=2
x2=3
x3=3
x1+x2=6
x1+x3=5
x2+x3=6
x1+x2+x3=9
ならば、これらを同時に満たす解は存在しないことになる。
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ところが、10個の変数から1度に6個の変数を選び出す(10,6)=210個の1次方程式
(1)x1+x2+x3+x4+x5+x6=65
(2)x1+x2+x3+x4+x5+x7=70
(3)x1+x2+x3+x4+x5+x6=75
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(209)x4+x6+x7+x8+x9+x10=91
(210)x5+x6+x7+x8+x9+x10=100
は過分な個数の方程式であっても、唯一の解(x1,x2,・・・,x10)=(1,4,9,16,25,10,15,20,25,5)を持つのである。
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この方程式は
x1=1
x1+x2=5
x1+x2+x3=14
など方程式の数がもっと過剰になっても唯一の解を持つ。
したがって、
x1=2
x2=3
x3=3
x1+x2=6
x1+x3=5
x2+x3=6
x1+x2+x3=9
が解を持たないのは変数の数と式の数がミスマッチが原因になっているとは言えないのである。
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