■対称行列と反対称行列(その9)
SU(3)の場合,SU(2)のパウリ行列
σx=[0,1] σy=[0,−i] σz=[1, 0]
[1,0] [i, 0] [0,−1]
に対応するのがゲルマン行列であって,パウリのスピン行列に類似した8個の基底をもつのですが,一般にSU(n)のリー代数はトレース0の反エルミート行列からなり,それには線形独立なものがn^2−1個あります.
SU(2)では3個の基底(1/2σi),SU(3)では8個の基底(1/2λi),
SU(6)では35個の基底からなるのですが,その内訳は
8(1/2λ)+3(1/2σ)+8×3(1/2λσ)=35
となります.SU(mn)の基底は
m^2−1+n^2−1+(m^2−1)(n^2−1)=(mn)^2−1
というわけです.
SU(3)に対する議論はSU(2)の場合よりも少し複雑になるだけのことであって,3×3のユニタリー行列は8個の独立な基底の線形結合によって生成されます.また,SU(3)対称性については,2個の正規直交基底を決めてルートを図示すると,それは六角形のパターンに8種類の粒子を配置した有名な「八道説」のダイアグラムによって表現されることになるのです.
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