■超素数とその仲間達? (その11)
(その9)(その10)ではシェルピンスキー数,すなわち,q=2^kp+1(k≧0)という形の数において,あるきまったpを選んで,kを変えていき,すべて合成数となるようなpを探し出した.
それに対して,aを底とするフェルマー・テスト,すなわち,gcd(a,n)=1となるある自然数aに対して,
a^n-1=1 (modn)
がすべてのaに対して成り立つとき,nをカーマイケル数という.
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【1】フェルマーの小定理
pが素数であるならば,gcd(a,n)=1となる任意の自然数aに対して,
a^p-1=1 (modp)
が成り立つ.
この定理の対偶は,gcd(a,n)=1となるある自然数aに対して,
a^n-1≠1 (modn)
となるならば,nは合成数である.
たとえば,n=117,a=2の場合,
2^7=128=11 (mod117)
11^2=121=4=2^2 (mod117)
116=7・16+4
より
2^116=(2^7)^16(2^4)=11^16・2^4=2^16・2^4=2^20
=2^14・2^6=11^2・2^6=2^2・2^6=2^8=2^7・2=11・2=22 (mod117)
2^116≠1 (mod117)→117は合成数である.(実際,117=3^2・13)
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しかし,フェルマーの小定理の逆は真ではない.たとえば,n=341,a=2の場合,341=11・31にもかかわらず
2^340=1 (mod341)
となる.
(証)
1023=341・3
2^10=1024=1 (mod341)
より
2^340=(2^10)^34=1 (mod341)
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それでも,n=341,a=3の場合,
3^340≠1 (mod341)
となる.
(証)
3^10=59049=56 (mod341)
56^3=175616=1 (mod341)
より
3^340=(3^10)^34=56^34=(56^3)^11・56=56≠1 (mod341)
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