■ユークリッド原論と多重根号数(その71)
k=√(m+√(m+√(m+√(m+・・・))))
の場合は,2次方程式の解の公式を使えば,m=k^2−kとすることができる.
√(2+√(2+√(2+√(2+・・・))))=2
√(30+√(30+√(30+√(30+・・・))))=6
今回のコラムでは
√(2+√(2+√(2+√(2+・・・))))=2
の別証を与えてみたい.
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【1】別証
倍角の公式
cos2α=2cos^2α−1
は
2cosα=√(2+2cos2α)
と書き換えることができる.
たとえば,α=π/32とおくと
2cosπ/32α=√(2+2cosπ/16)
=√(2+√(2+2cosπ/8))
=√(2+√(2+√(2+2cosπ/4)))
=√(2+√(2+√(2+√2)))
α=π/2^nとして,n→∞とすると,
√(2+√(2+√(2+√(2+・・・))))=2
が得られる.
ヴィエタの無限積は
2/π=√2/2・√(2+√2)/2・√(2+√(2+√2))/2・√(2+√(2+√(2+√2)))/2・・・
とも書くことができる.
[補]ウォリス積
4/π=3^2/(3^2−1)・5^2/(5^2−1)・7^2/(7^2−1)・・・
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【2】ローメンの問題
(Q)45次多項式
P(x)=45x−3795x^3+95634x^5−1138500x^7+7811357x^9−34512075x^11+105306075x^13−232676280x^15+384942375x^17−488494125^19+483841800x^21−378658800x^23+236030652x^25−117679100x^27+46955700x^29−14945040x^31+3764565x^33−740259x^35+111150x^37−12300x^39+948x^41−45x^43+x^45
とする.このとき,
P(x)=√(2+√(2+√(2+√2)))
の根を求めよ.
(A)3倍角の公式
sin3α=−4sin^3α+3sinα
と
sin^5α=5/8・sin^5α−5/16sin^3α+1/16・sinα
の組み合わせを繰り返し使って,sin45αの関数を導く.そしてx=2sinαと置き換えれば,P(x)=2sin45αが得られる.
2sin45α=2sin15π/32
=2sin(π/2−π/32)
=2cosπ/32α=√(2+2cosπ/16)
=√(2+√(2+√(2+√2)))
を解くことで,
45α=15π/32+2kπ
α=π/96+2kπ/45
x=2sinα=2sin(π/96+2kπ/45)
なお,より一般化した問題
Pn(x)=Σ(−1)^kn/(n−k)(n−k,k)x^n-2k
n=0〜[n/2]
とすると
Pn(2sinα)=2sin(nα)
が得られる.ローメンの問題はn=45としたものである.
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