■ユークリッド原論と多重根号数(その67)
数式と戯れる喜びを知っていたラマヌジャンは,平方根が入れ子状に無限に続く
√(1+2√(1+3√(1+4√(1+・・・))))
の値を求めよという問題をインド数学会誌に投稿している.
[参]カニーゲル「無限の天才」工作舎,p90
しかし,この問題に対する読者からの解答は寄せられず,結局答えたのは出題者であるラマヌジャン本人であったとのことである.今回のコラムではラマヌジャンのクイズを取り上げることにしたい.
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【1】ラマヌジャンのクイズ
ラマヌジャンのクイズの前に,もし,
√(1+a√(1+a√(1+a√(1+・・・))))
の値はという問題であれば,
x=√(1+a√(1+a√(1+a√(1+・・・))))
とおくと,
√(1+ax)=x → x^2−ax−1=0
より,
x=(a+√(a^2+4))/2
を得ることができる.
a=1のとき,
√(1+√(1+√(1+√(1+・・・))))=φ (黄金比)
ラマヌジャンのクイズ
√(1+a√(1+(a+1)√(1+(a+2)√(1+・・・))))
の値はという問題であれば,
f(x)=√(1+x√(1+(x+1)√(1+(x+2)√(1+・・・))))
とおくと,
√(1+xf(x+1))=f(x)
f(x)^2=1+xf(x+1)
しかし,このような非線形関数等式の一般解を直接求めるのは一般に困難である.
そこで,f(1)=1,f(1)=2,・・・などとおいて周期性を調べてみる.するとf(1)=2とおいたときだけ周期性をもつ関数列となる.はじめの数項を計算すると
f(1)=2,f(2)=3,f(3)=4,f(4)=5,f(5)=6,・・・,
これより,すべてのxに対して
f(x)=x+1
であることが推測できるが,数学的帰納法の証明の範疇であろう.
以上より,求める値はf(2)=3である.
√(1+2√(1+3√(1+4√(1+・・・))))=3
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(1+2√(1+3√(1+4√(1+・・・))))=9
(2√(1+3√(1+4√(1+・・・))))=8
(√(1+3√(1+4√(1+・・・))))=4
(1+3√(1+4√(1+・・・))))=16
(3√(1+4√(1+・・・))))=15
(√(1+4√(1+・・・))))=5
(1+4√(1+・・・))))=25
(4√(1+・・・))))=24
(√(1+・・・))))=6
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