■ユークリッド原論と多重根号数(その37)
Σ1/n^2=1/1^2+1/2^2+1/3^2+1/4^2+・・・=π^2/6
が収束することは次のようにして示すことができます.
(証明)n次部分和をPnとすると,
Pn=1/1^2+1/2^2+1/3^2+・・・+1/n^2
<1+1/1・2+1/2・3+・・・+1/(n−1)・n=2−1/n
<2
より,単調増加数列{Pn}は有界でn→∞のとき収束することがわかります.
なお,級数Σ1/n(n+1)は,優雅な公式Σ1/n^2=π^2/6に表面的にはよく類似していますが,
Σ1/n(n+1)
=Σ(1/n−1/(n+1))
=(1−1/2)+(1/2−1/3)+(1/3−1/4)+・・・
=1
となり,両者の間には大きな格調の差があるという有名な例になっています.
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√(1+√(2+√(3+√(4+・・・))))
の収束値を具体的に求めることはできませんが,収束することは以下のようにして証明できます.
[証]
an=√(1+√(1+√(1+√(1+・・・+√1)))) (1がn個)
bn=√(1+√(2+√(3+√(4+・・・+√n))))
とおく.
数列{an}はφに収束する.
√(1+√(1+√(1+√(1+・・・))))=φ (黄金比)
数列{bn}は単調増加.
また,
an=√(1+√(1+√(1+√(1+・・+√1)))) (1が
の両辺の√2をかけると
√2an=√(2+√(4+√(16+・・+√2^(2^n-1)))))
k<2^2^(k-1)
より,bn<√2an
単調増加数列{bn}は有界でn→∞のとき収束することがわかります.
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