■デカルトの円定理(その17)
【2】ソディーのhexlet(6球連鎖)
ソディーの定理(1936年)とは「半径a,b,cなる互いに接する3個の球K1,K2,K3のどれにも接する球Siの鎖の数は,常に6個となり,球の半径の逆数をρi (i=1~6)とすると
ρ1+ρ4=ρ2+ρ5
が成立する」というものである.
この定理も100年以上も前に和算家が得ていたものであるが,これには4個の互いに接する球に関するデカルトの定理
(Σ1/ri)^2=3Σ(1/ri)^2
が使われている.ソディーは同位元素の研究でノ−ベル化学賞を受賞した化学者であるが,彼もまたデカルトの定理を再発見したのである.
とくに,球K1(r)内に互いの外接する2個の等しい球K2(r/2),K3(r/2)が内接していて,それらに外接する6個の等しい球S1-6がループを作っているとき,その半径はr/3となる.
また,半径Rの球に正四面体をなすように互いに外接する4個の半径の等しい大球(半径r1)を内接させる.正四面体の各面の中心の隙間に4個の中球(半径r2),その隙間に12個の小球(半径r3)をおくと,6個の内接球r1r2r3r3r2r1のループができる.このとき
r1=(√6−2)R,
r2=(√6−2)R/5,
r3=(3√6−2)R/25
を得るが,これは10才の少年により提出された和算の問題だそうである.有名なソディーと無名の10才の少年・・・.
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