■準正多面体の組み合わせ論(その5)

 ミンコフスキーの格子点定理は数の幾何学の基礎となっているのですが,格子点定理は次のように述べることができます.

 「平面(n次元空間)上の任意の単位格子において,1つの格子点を中心として1辺の長さが2の正方形(面積4の平行四辺形,面積2^nの中心対称な凸体)を任意の向きにおいてみると,内部あるいは境界上にもうひとつの格子点が必ず存在する.」

「Q]直径26メートルの円形の森(K)の原点以外のすべての格子点のところに木が生えているとする.基の直径は0.16メートルのとき原点にたっている人がこの森の外を見ようとしても見えないことを証明せよ.

[証]外が見えると仮定すると,これは幅0.16の帯が原点以外の格子点を含まないということと同じである.しかし,C=K∩Sという対称な凸集合の面積は

  vol(C)=vol(K∩SC)=0.16×26=4.16>4

となって,ミンコフスキーの格子点定理に矛盾してしまう.

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