■ファン・デル・ヴェルデンの定理と等差数列(その43)
自然数の中に等間隔になる数は当たり前であるから,素数の中に等間隔の並ぶ数を考える.3個組,4個組,5個組,・・・
===================================
【1】エルデシュ予想
「自然数列{ai}がΣ1/ai=∞を満たすならば,自然数列{ai}は任意の長さの等差数列を含む.」
Σ{1/p)→∞なので,エルデシュ予想を証明すれば各項が素数である任意の長さの等差数列が存在することがわかる.この事実は2004年にグリーンとタオによって証明された.
===================================
【2】グリーン・タオの定理
ここで,素数のみからなる等差数列,
a,a+d,・・・,a+(n−1)d
において,「任意に長いn個の素数の等差数列が存在する.」(グリーン・タオの定理:2004年)
つまり,3個組,4個組,5個組,・・・,n個組.nは100個でも100万個でも好きな数だけ等差数列を作れるのである.ただし,公差dを指定することはできない.
長さ3の素数等差数列は無限に存在する(ファン・デル・コルプト,1939年)
長さ4の等差数列であって、3つは素数、残り一つは素数または2つの素数の積であるものは無限に存在する(ヒース・ブラウン,1981年)
最近の進展としては
[1]1966年,陳景潤は素数pと概素数p+2(素因数を2つしかもたない合成数)のペアは無限に存在することを証明しました.これは無限に多くの双子素数が存在することに大変接近した結果であって,双子素数予想の証明に向かって最初の大きな一歩と考えられます.もう一歩進んで「概」を取り去ることに成功した者が,素数理論の大快挙を成し遂げたことになるのです.陳素数全体は任意の長さの等差数列を含む。
[2]a^2+b^2+1型素数の集合は任意の長さの等差数列を含む。
===================================
エルデシュ予想はセメレディの定理の拡張になっている。
エルデシュ予想はセメレディの定理の「上密度が正」という条件を「逆数和が発散する」という別のシンプルな条件に揺れ眼られることを主張する非常に一般的な予想である。エルデシュ予想はグリーン・タオの定理をもその特別な場合として含んでいる究極の予想であるが、長さ3の等差数列を無限に含むことことが証明されている。
===================================