■ファン・デル・ヴェルデンの定理と等差数列(その40)

長さ5,公差6{5,11,17,23、29}

長さ6,公差30{7,37,67,97,127,157}

公差はいくつでもよいものとして、もっと長い素数等差数列はあるだろうか?

実はどんな長い有限個を考えたとしても、その個数だけ間隔に並ぶ素数は必ず存在する(グリーン・タオの定理)

とはいえ、知られている素数等差数列の長さは最大27である。長さの大きい素数等差数列の実例を見つけることは難しいかもしれないが

それでも存在性だけは保証できるというのである。与えられた素数等差数列の長さは与えられた初項の大きさをを超えることができない

等差性は加法によって定まる概念であり、素数は乗法によって定まる概念であるから、この問題は加法と乗法の絡み合いに関する問いであるととらえることができる

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グリーン・タオの定理の証明は解析的整数論で取り組まれたものではなく、整数からなる集合がどのような状況で等差数列を含むことを保証することができるかという理論を素数の集合に適用したものである。

セメレディの定理は整数からなる集合が任意の長さの等差数列を含むことができるための十分条件を与えているが、素数の集合はその条件を満たさない。そこで適用範囲が広がるように条件を緩めることによってセメレディの定理を一般化するのである。

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