■ランダムウォークの母関数と準超幾何関数(その12)
単純ランダムウォークがd2≦ならば再帰的、d≧3ならば非再帰的であるとは
人間は酔っぱらっても偶然に帰路がみつかるが、鳥が酔っぱらうと永遠に迷子になる可能性があるということである。
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正方格子のとき,再帰的であることが示されましたが,その他の2次元格子ではどうでしょうか? 結論だけをいうと
正方格子 u2n 〜 (πn)^(-1)
三角格子 u2n 〜 √3/2(πn)^(-1)
六角格子 u2n 〜 3√3/2(πn)^(-1)
カゴメ格子 u2n 〜 2√3/3(πn)^(-1)
すなわち,再帰的ということになります.これらの結果は,斜交座標を導入すると直交座標と同一視できることから得られますが,詳細については,志賀徳造「ルベーグ積分から確率論」共立出版を参照されたい.
ここで,正方格子の
u2n 〜 (πn)^(-1)
の1という係数は,配置の仕方に関係するものですが,いかなる2次元格子の点であっても,一般的に
u2n 〜 q(πn)^(-1)
の形で書くことができそうです.
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