■幾何分布と誕生日の問題(その55)
【2】ラマヌジャンの近似公式
[Q]同じ部屋にいる人のうち,少なくとも二人の誕生日が同じになるためには,その部屋には「少なくとも」何人いればよいか?
ではなく
[Q]同じ部屋にいる人のうち,少なくとも二人の誕生日が同じになるためには,その部屋には「平均して」何人いればよいか?
この問題にも近似的な公式があって,ハルモスの近似公式
k〜(−2log(0.5))^1/2・(n)^1/2
において、
k〜∫(0,1)(−2log(q))^1/2・(n)^1/2dq
とすると,平均値
k〜(π/2)^1/2・(n)^1/2〜1.25√n
が得られる.
ハルモスの近似公式
k〜(log4)^1/2・(n)^1/2〜1.18√n
より少し大きいことがわかる.
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さらに,マチスの近似公式において
k〜∫(0,1)(1+√(1-8nlogq))/2dq
とすると,ガウスの誤差関数が現れる.
k〜1+exp(1/8n)erfc(1/√8n)√(nπ/2)
k〜1+(1+1/8n+1/128n^2+・・・)(1-1/√2nπ+1/24n√2nπ+・・・)√(nπ/2)
こうして
k〜(π/2)^1/2・(n)^1/2〜1.25√n
よりも正確な公式として,ラマヌジャンの近似公式
k〜(πn/2)^1/2+3/2+1/12・(π/2n)^1/2−4/135n
が得られる.
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