■幾何分布と誕生日の問題(その48)

【1】スモ−ルワールド・ネットワーク

初対面の人と話をしているうちに,共通の知り合いがいてびっくりすることがある.そんなときは「世間は狭いですね」ということになる.

 世界中の人のつながり方を考えると,任意の二人は何人の知人を介して繋がっているのだろうかという問題を提起することができる.ミルグラムの実験によると中央値は5人,平均値は5.43人だったという.

 全世界の人のなかから無作為に二人選んだとすると,6人の友人を経れば誰から誰にでも達することができるという「6次の隔たり」と呼ばれる主張がこの実験を通して生まれた.

 世界の総人口が70億人だと仮定すると,平均経路長が6になるためには,すべての人に43人の知り合いがいるという計算になる.

  43^6=6321363049

  44^6=7256313856

  (7・10^9)^1/6=43.7371

人口をP,各人にはK人の知り合いがいて,そのK人はランダムに散らばっているとする.このとき,隔たりの次数の平均は

  logP/logK

で与えられる.

P=15000,K=20とするとlogP/logK=3.2

つまり,3次の隔たりがあると見込むことができる.

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