■学会にて(京大数理解析研,その195)

 タングラムとは,正方形を直線で7枚の板(直角二等辺三角形大2,中1,小2,正方形1,平行四辺形1)に切って,それを組み合わせていろいろな図形を作るパズルである.

 タングラムは中国生まれとされるが,わが国でもよく似たものがあり,長方形を7枚の板(直角二等辺三角形2,直角台形大1,中1,小2,ホームベース型五角形1)に切った「ラッキー・パズル」が市販されている.

 私も子供の頃,ラッキー・パズル(はなやま玩具)でよく遊んだものである.影絵が簡単なほど難しくなるが,幼児であれば自分自身で新しい影絵を考案して楽しむこともできる.実際,わが家の子供達は専らデザインを応募しては採用されることを楽しんでいるようである.

[Q1]タングラムの7枚を全部並べてできる凸多角形は何種類あるか?

[A1]この問題は三角形1,四角形6,五角形2,六角形4の計13種類あることが証明されている

ラッキー・パズルでは四角形4,五角形3,六角形6,八角形1の14種類作れることは確かであるが,それですべてかどうかは証明されていない.挑戦してみませんか?→Spanut Chaidee先生(チェンマイ大学)はこの問題に挑戦したというわけである。

 ところで,「九章算術」の立方体,塹堵(ぜんと),陽馬,鼈臑(べつどう)はピースを並べ替えて等積変形により立体の体積を求積するもので,三角錐や角錐台の体積公式を得るときなどに用いられる.その意味で「タングラム」の立体版と考えられる.もちろんタングラムと同じ中国生まれである.

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