■亀とプロペラとソロバン珠(その1)
ことしも京大数理解析研での研究会に参加。講演の拝聴してもよくわからないのであるが、すこしでもわかろうと奮闘している。
秋山秀樹・伊藤克樹先生(筑波大)は昨年に引き続き、非周期的タイル集合についてご講演。
平行線をオーバービューすると変形カゴメ格子のタイル貼り図形が生じ、そこにフィボナッチ数列が現れること(秋山)
亀をプロペラとソロバン珠に分解すると、非周期的タイル集合についての理解が深まること(伊藤)
などなど・・・。レポートしてみたい。
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杉本晃久さんより興味深い連絡が届いた…
ついにaperiodic monotile(1種類の多角形で,非周期にしかタイル張りができない多角形タイル)が見つかったようです.それもペンローズタイルのような特別なマッチングルールをもない凹多角形です.
<注意>これは亀ではなく、帽子と呼ばれる非周期的タイル集合である。
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<補足>
タイル張りの周期が零ベクトルしかないとき,それを「非周期的タイル張り(Nonperiodic tiling)」と言う.
タイルの有限集合が「非周期的タイル集合(Aperiodic prototile set)」とは,それらを並べると平面をタイル張りできるが,出来たタイル張りは全て非周期的タイル張りになる場合を言う.
ペンローズのタイリングはNonperiodic tilingであり,ペンローズ・タイルと呼ばれるAperiodic prototile setを持つ(性質がある) .つまり,「非周期的タイル集合(Aperiodic prototile set)」が2つのタイルを含む場合に該当します.
非周期的タイル集合が1つのタイルの場合(aperiodic monotile)に関しては,2011年の
J. E. S. Socolar and J. M. Taylor, An aperiodic hexagonal tile, Journal of Combinatorial Theory, 18 (2011), 207-2231.
が知られていましたが,いろいろ議論があったようです.
今回のaperiodic monotileは,ペンローズ・タイルのような矢印などのマッチングルールもないとのことです.
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