■学会にて(京大数理解析研,その164)

ことしも京大数理解析研に参加。講演の拝聴してもよくわからないのであるが、すこしでもわかろうと奮闘している。

私の印象に残った演題をいくつかレポートしてみたい。

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山岸義和先生(龍谷大)は正四面体・正5胞体における小谷のアリの問題を取り上げた。

その際の計算の詳細はともかくとして、単体を星状分解する際に、正四面体では4ピース、正5胞体では8ピースが生成される。

初めてみる図であったので、妙に印象に残った。

正四面体の表面空間を星展開してボロノイ分割すると、4つのピースに分割されます。

正五胞体の表面空間を星展開してボロノイ分割すると、8つのピースに分割されます。

(たぶん5次元単体を星展開してボロノイ分割したら、16のピースに分割される・・・)

3次元立方体の表面空間を星展開してボロノイ分割すると、8 = 3^2-1 のピースに分割されます。

4次元立方体の表面空間を星展開してボロノイ分割すると、26 = 3^3-1 のピースに分割されます。

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【1】マクハの不等式

半径Rの球面の内部直径Dinは大円の半分であるからπR,一方、外部直径Doutは北極・南極間距離2R

したがって、これらの比はDin/Dout=π/2である。

半径aの円弧三角形(ルーローの三角形)を回転させた定幅曲面の内部直径はπa/2,外部直径はa

したがって、これらの比はDin/Dout=π/2である。

一般に、閉曲面の場合、

Din/Dout≦π/2   (マクハの不等式)

が成り立つことが知られている。

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山岸先生はintrinsic radius:r、diameter: Dとして

1/2≦r/d≦1

1になるのは円に限らず、多角形の境界、完全グラフKn

1/2になるのは円板、区間、木など・・・とされていた。マクハの不等式とは別物と思われるが、その定義によると

2次元正単体:1

3次元正単体:1/(2/√3)

4次元正単体:0.8012

2次元立方体:2/2

3次元立方体:(2/√5)

4次元立方体:(2/√6)

正八面体:(3/2)/√3

正20面体:(5/2)/√7

アレクサンドロフ予想:閉曲面の面積A,内部直径Dについての不等式予想

A/D^2<π/2

といい、空間図形の直径についてはいろいろな立場があるのであろう

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この記事について山岸先生に質問した回答が返ってきた。

佐藤 郁郎先生

マクハの不等式というのがあるんですね。

内在的半径と内在的直径の定義については、

点 p から、その最遠点までの距離 d(p, f(p)) を R(p) とおくと、

R(p) の最大値が内在的直径、

R(p) の最小値が内在的半径、と定義しました。  (山岸義和)

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