■学会にて(京大数理解析研,その145)
ことしも京大数理解析研に参加。講演の拝聴してもよくわからないのであるが、すこしでもわかろうと奮闘している。
私の印象に残った演題をいくつかレポートしてみたい。
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山岸義和先生(龍谷大)は正四面体・正5胞体における小谷のアリの問題を取り上げた。
その際の計算の詳細はともかくとして、単体を星状分解する際に、正四面体では2^3-1ピース、正5胞体では3^3-1ピースが生成される。
初めてみる図であったので、妙に印象に残った。
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【1】マクハの不等式
半径Rの球面の内部直径Dinは大円の半分であるからπR,一方、外部直径Doutは北極・南極間距離2R
したがって、これらの比はDin/Dout=π/2である。
半径aの円弧三角形(ルーローの三角形)を回転させた定幅曲面の内部直径はπa/2,外部直径はa
したがって、これらの比はDin/Dout=π/2である。
一般に、閉曲面の場合、
Din/Dout≦π/2 (マクハの不等式)
が成り立つことが知られている。
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山岸先生はintrinsic radius:r、diameter: Dとして
1/2≦r/d≦1
1になるのは円に限らず、多角形の境界、完全グラフKn
1/2になるのは円板、区間、木など・・・とされていた。マクハの不等式とは別物と思われるが、その定義によると
2次元正単体:1
3次元正単体:1/(2/√3)
4次元正単体:0.8012
2次元立方体:2/2
3次元立方体:(2/√5)
4次元立方体:(2/√6)
正八面体:(3/2)/√3
正20面体:(5/2)/√7
アレクサンドロフ予想:閉曲面の面積A,内部直径Dについての不等式予想
A/D^2<π/2
といい、空間図形の直径についてはいろいろな立場があるのであろう
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