■学会にて(京大数理解析研,その142)
ことしも京大数理解析研に参加。講演の拝聴してもよくわからないのであるが、すこしでもわかろうと奮闘している。
私の印象に残った演題をいくつかレポートしてみたい。
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山岸義和先生(龍谷大)は正四面体・正5胞体における小谷のアリの問題を取り上げた。いくつか予備知識を入れておきたいのであるが・・・
立方体[0,1]^3の原点から最も遠い点は(1,1,1)である。
内部空間の直径は√3
表面空間の直径は√5
沿辺空間の直径は3
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立方体を2つ重ねた直方体(1x1x2)の場合
内部空間の直径は(0,0,0)-(1,1,2)で√6
沿辺空間の直径は4であるが
表面空間の直径は(1,1,2)に対するものではなく(3/4,3/4,2)が最も遠い点であるという。
直観に反するこの結果は、小谷(善行)のアリのパラドックスと呼ばれている
(3/4)^2+(2+3/4)^2=(9+121)/16=130/16
(1+3/4)^2+(2+1/4)^2=(49+81)/16=130/16
√8.125
それに対して、(1,1,2) までの表面空間の直径は√8である。(3ではない)
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立方体をn個重ねた直方体(1x1xn)の場合
内部空間の直径は(0,0,0)-(1,1,n)で√(n^2+2)
沿辺空間の直径は(n+2)であるが
表面空間の直径は(1,1,n)に対するものではなく(x,x,n)が最も遠い点であるという。
x^2+(n+x)^2=(1+x)^2+(n+1-x)^2
2nx=-2nx+2(n+1)
4nx=2(n+1)
x=(n+1)/2n
n=2のときx=3/4
n→∞のとき、x→1/2、すなわち、上面の中央に近づく
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n=2のときは一致
n=1のときはx=1となって
立方体[0,1]^3の原点から最も遠い点は(1,1,1)であるは正しいことが確認された。
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