■ある恒等式(その25)

 n人でじゃんけんしたとき,nが増えるにつれてあいこになる確率pnが増すことは日常生活でもしばしば経験されることです.

 (その2)のようにA,B,Cをそれぞれグー,チョキ,パーとします.

[1]A,B,Cへの割り付け全体  3^n

[2]Aを除いてB,Cに割り付ける  2^n

[3]Bを除いてA,Cに割り付ける  2^n

[4]Cを除いてA,Bに割り付ける  2^n

[5]Aだけに割り付ける       1

[6]Bだけに割り付ける       1

[7]Cだけに割り付ける       1

 あいこにならないのは[2][3][4]ですから,

  pn=(3^n−3・2^n+3)/3^n

のようになると思われますが,

  [参]マスオ「高校数学の美しい物語」ソフトバンク

によると,これは正解ではありません.

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 nTk=k!・nSkとすると,

[1]全種類がでる

  nT3=Σ(−1)^k-jkCjj^n=3−3・2^n+3^n通り

[2]全員が同じ手:3通り

 したがって,求める確率は

  pn=(6−3・2^n+3^n)/3^n

  n→∞のとき,pn→1となるというわけである.

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