■クラウゼン・フォン・シュタウトの定理(その5)

  tanx=Σ(-1)^(n-1)2^2n(2^2n−1)B2nx^(2n-1)/(2n)!

の展開式は,ベルヌーイ数の別の形の母関数表示を与えています.すなわち,三角関数の展開公式にもベルヌーイ数がでてくるのですが,

  1/sin^2(x)=1/x^2+Σ(-1)^(n/2-1)2^nBn/n・x^(n-2)/(n−2)!

三角関数(円関数)を楕円関数に置き換えても,展開係数はベルヌーイ数と似たような数論的性質をもってくることが予想されます.

 このような考え方は三角関数についての現象を一般化するときの常套手段となっているのですが,その展開係数がフルヴィッツ数Hnです.三角関数の場合のベルヌーイ数

  1/sin^2(x)=1/x^2+Σ(-1)^(n/2-1)2^nBn/n・x^(n-2)/(n−2)!

と対比させると,フルヴィッツ数はワイエルシュトラスの楕円関数のローラン展開

  p(z)=1/z^2+Σ2^nHn/n・z^(n-2)/(n−2)!

で定義されます.

  H4=1/10,H8=3/10,H12=567/130,H16=43659/170,H20=392931/10,

H24=1724574159/130,・・・

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  1/sin^2(x)=1/x^2+Σ(-1)^(n-1)2^2nB2n/2n・x^(2n-2)/(2n−2)!

  p(z)=1/z^2+ΣE6n/6n・z^(6n-2)/(6n−2)!

  x(u)=1/u^2+ΣC10n/10n・u^(10n-2)/(10n−2)!・・・

とベルヌーイ数・フルヴィッツ数の一般化が全く自然な形で成立する

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これらについてもクラウゼン・フォン・シュタウト型の定理が完全な形で得られている

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