■フレネル積分とリンゴの皮むき曲線(その5)
【1】シンク積分
∫(0,t)sint/tdt
の披積分関数をべき級数に展開したのち,項別に積分すると,
x−x^3/3・3!+x^5/5・5!−・・・
が得られる.正弦積分とは,
Si(x)=∫(0,t)sint/tdt
として定義される特殊関数(初等関数によって表し得ない関数)である.
また,その特殊値
Si(∞)=∫(0,∞)sint/tdt=π/2
はディリクレ積分とも呼ばれる.
∫(0,∞)sinx/xdx=π/2
はよく知られていて,複素積分などを用いて求めることができる.
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【2】フレネル積分
∫(0,∞)sin√x/xdx=?
において,y=√xとおくと,dx=2ydyより
∫(0,∞)siny/y^2・2ydy=2∫(0,∞)siny/ydy=π
となる.しからば
∫(0,∞)sinx/√xdx=?
というのが今回の問題である.
y=√xとおくと
∫(0,∞)sinx/√xdx=∫(0,∞)siny^2/y・2ydy=2∫(0,∞)siny^2dy
はフレネル積分の特殊値となり,x→∞の極限は
∫(0,∞)sinx/√xdx=√(π/2)
になる.
結論を先にいってしまったが,披積分関数をべき級数に展開したのち,項別に積分すると,次の展開式が得られるという.
(∫(0,∞)sinx/√xdx)^2=Σ(2k)!/2^2k(k!)^2・1/(2k+1)
=Π4k^2/(4k^2-1)=π/2
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