■格子と多面体(その10)

 隣接行列の要素bijを,

  それ自身のとき・・・・2

  結ぶ辺があるとき・・・2cos(π/m)

  結ぶ辺がないとき・・・0

と定めている.これは行列式の計算での分母の複雑さを回避するためである.

 無限鏡映群について,隣接行列式を計算すると,

[1]結晶群では0になる(シュレーフリの公式)

[2]非結晶群では0にならない.

 結晶群は次元がひとつ下がった空間充填形に退化したものと考えられるからである.それらの例を示す.

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【1】F4~型ルート格子

        |2 1 0 0  0|

  |F4~|= |1 2 √2 0 0|

        |0 √2 2 1 0|

        |0 0 1 2  1|

        |0 0 0 1  2|

=2|F4 |−|2 1 0  0|

       |1 2 √2 0|

       |0 √2 2 0|

       |0 0 1  1|

=2−212 √2 0|+|1 √2 0|

    |√2 2 0| |0 2  0|

    |0 1  1| |0 1  1|

=4−4=0

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【2】H3,4~型ルート格子

       |2 1 0 0|

  |H3~|=|1 2 τ 0|

       |0 τ 2 1|

       |0 0 1 2|

=2|H3|−|2 1 0|

       |1 2 0|

       |0 τ 1|

=2(3−√5)−3=3−2√5<0

        |2 1 0 0 0|

        |1 2 1 0 0|

  |H4~|= |0 1 2 1 0|

        |0 0 1 2 τ|

        |0 0 0 τ 2|

=2|H4|−|1 1 0 0|=2|H4|−|2 1 0|

       |0 2 1 0|       |1 2 τ|

       |0 1 2 τ|       |0 τ 2|

       |0 0 τ 2|

=(7−3√5)−(6−2τ^2)

=(7−3√5)−(6−3−√5)=4−2√5<0

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