■整数の比の形に表すことができない(その47)
【3】補足
ロスの定理を補足するため,「実数αが整数係数の2次方程式の根になっている(2次の無理数)ならば,
|α−p/q|<1/q^3
を満たす有理数は有限個しかない」ことを示しておきたい.
(証)αを根にもつ整数係数の2次方程式を
f(x)=ax^2+bx+c
とすると,
f(p/q)−f(α)=(p/q−α)(ap/q−2aα+b)
両辺にq^2をかけて,f(α)=0と|α−p/q|<1/q^3を使えば,
|ap^2+bpq+cq^2|<(|a|+|2aα+b|)/q
左辺は整数,右辺はqが大きくなると0に収束するので,この不等式を満たすp/qの組は有限個しかない.
それどころか,実数αが整数係数の代数方程式a0+a1x+a2x^2+・・・+anx^n=0の根になっている(代数的数)ならば,
|α−p/q|<1/q^(2+ε)
を満たす有理数は有限個しかないのである.
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