■ヒッパソスとテオドロスの伝説(その11)
紀元前320年、アリスタイオスは「5つの正多面体の比較」という本を出し、その中で
「正12面体と正20面体が同一の球に内接するとき、正12面体の5角形と正20面体の3角形は同じ円に内接する」
ことを証明した。
同じく双対の
「正8面体と正6面体が同一の球に内接するとき、正8面体の3角形と正6面体の4角形は同じ円に内接する」
も成り立つ。
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(中川) まさしく正多面体の神秘ですね。
(佐藤) 古代において、これをどうやって証明したのでしょうかね???
(中川) ユークリッドの原論では、球に内接する正多面体を構成しています。それでは証明できない内容が含まれますか?
(佐藤)ユークリッドはほぼ同時代なのですが、このことに影響を受けて「原論」をまとめ上げたとされています。
(中川) それはうなづける逸話ですね。アリスタイオスが「5つの正多面体の比較」で論じたことを、ユークリッドが厳密に証明して見せた。こう考えることもできそうですね。
(佐藤) うまい教材を作れないでしょうか?
(中川) 球に内接させる模型はむずかしそうですね。
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