■ヒッパソスとテオドロスの伝説(その2)
紀元前5世紀、ギリシアのヒッパソスは正五角形の辺の長さとその中に形成される五芒星の辺の長さの関係を探るうちに、無理数に出会ったようだ。
ピタゴラスの定理を知っていたヒッパソスは正方形と対角線の関係から2の平方根は2つの整数の比としてあらわすことができないことを発見する。
ピタゴラス教団ではすべてのかすは整数の比で泡わせると信じられていたため、異端視され、反感を買って船から投げ落とされ、溺死した。
その後、テオドロスは3から17までの非平方数の平方根が無理数であることを発見し、無理数の存在が確立するのである。
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1辺1の正方形の対角線の長さ√2は歴史的に見てはじめての無理数である。ヒッパソスは初めて球の中に正12面体を内接させることに成功している。実際、その作り方の中に現れるのは黄金比であるから、それが最初の無理数となったかもしれないのである。
√2の連分数展開は1572年、ボンベリによって与えられ、2が繰り返される。黄金比の連分数展開では1が繰り返される。
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