■ワイエルシュトラスのペー関数(その1)
ヤコビの楕円関数は複雑であるが、1862年、ワイエルシュトラスによってより単純な形のペー関数が紹介された。ワイエルシュトラスは楕円関数の一般定理を導き出し、代数学と幾何学両分野の問題に応用可能であることを示した。ペー関数は古典力学や量子力学でも使われている。
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【1】ワイエルシュトラスのペー関数
格子点L={m+nτ|(m,n)は整数,(0,0)は除く}に対して,ωを格子点L上の点とすると,無限和
p(z)=1/z^2+Σ{1/(z−m−nτ)^2−1/(m+nτ)^2}
p(z)=1/z^2+Σ{1/(z−ω)^2−1/ω^2}
をワイエルシュトラスのペー関数と呼ぶ.
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ωを格子点L上の点とすると
Σ1/ω^k
はk≧3のとき,絶対収束することから,ワイエルシュトラスのペー関数は収束することが示される.
p’(z+ω)=p’(z)=−2Σ1/(z−ω)^2
p(z+ω)=p(z)
より,ワイエルシュトラスのペー関数は基本周期1,τの楕円関数である.
このとき
p’(z)^2=4p(z)^4+g2(τ)p(z)+g3(τ)
g2(τ)=60Σ1/ω^4,g3(τ)=240Σ1/ω^6
が成り立つ.
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