■ベッセル関数と三体問題(その1)

 シンク関数(カージナルサインとも呼ばれる)とそれに類似のジンク関数はそれぞれ

  sinc(x)=sin(πx)/(πx)

  jinc(x)=J1(πx)/(2x)  (J1は1次のベッセル関数)

で定義されます.どちらも,光の回折の干渉縞の強度分布を表す関数であり,シンク関数は1本スリットがつくる1次元的回折像,ジンク関数は円孔スリットがつくる2次元的回折像として応用上重要であり,

sinc(0)=1,sinc(n)=0,integral(-∞,∞)sinc(x)dx=1,integral(-∞,∞)sinc2(x)dx=1,integral(0,∞)sinc(x)dx=1/2

jinc(0)=π/4,integral(0,∞)jinc(x)dx=1

です.

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オイラーらは惑星や月のような天体にほかの2つの天体の重力場が作用する、いわゆる三体問題の解をベッセル関数を使って求めたのですが、3つの天体が惑星に引力作用を及ぼすと惑星の軌道は複雑化して予測不可能になります。

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