■フェルマー・シュタイナー点(その56)

 2次元のn点集合に対する最短結線の効率は,

  √3/2=0.866

が最良と考えられている.一方,3次元の場合は

  {(283−3√21)/700+9(11−√21)√2/140}^1/2=0.78419

が最良と予想されている.

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 さらに,フェルマー・シュタイナー点が物理的作用と結びつくと,興味のある幾何学的効果が出現してきます.たとえば,2次元的にランダムに配列した石鹸の泡はいろいろなサイズの泡細胞からなっていますが,表面張力の要請から境界長を極小化しようとしますから,接合角度は120度となります(プラトー問題・最小シュタイナー木問題).

 このことから,石鹸の泡は各頂点の次数がすべて3である平面図形と考えることができます.また,互いに120°の角度で交わる石鹸膜の交線は

  arccos(−1/3)=109.471°

で接触します.正四面体の頂点から中心に向かう3枚の膜は互いに120°の角度をなし,中心に集まる4本の線は109.471°(マラルディの角)をなすのです.

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