■オクターブ(その4)
ギリシャ人は弦の長さを半分にするとオクターブ、2/3にすると完全五度、3/4にすると完全五度と呼ばれる魅力的な音階が生まれることを理解した。
対照的に8/9では不協和音になった。楽音と数の比が結びついていることに気づいたのである。
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ピアノやオルガンのような鍵盤楽器では1オクターブの間を12の音に分けていますが,転調のためには平均律,すなわち,1オクターブの音程を対数目盛を用いて12等分しています.
r=2^1/12=1.059463094
としてf(x)=1,r,r^2,・・・,r^11,2=2^xですが,この指数関数を平均律関数と呼ぶことにします.
rは無理数ですから,ピタゴラス音階のように整数比で表すことはできないのですが,ビンセンツォ・ガリレイ(ガリレオ・ガリレイの父)は
18/17=1.0582・・・
で近似しました.
また,メルセンヌは
(2/(3−√3))^1/4=1.05973・・・
で近似しました.この式は平方根だけを含む式なので幾何学的に作図できる方法になっています.
しかし,現実に楽器の設計に応用するのは難しく,ガリレイの近似値より正確で,メルセンヌのものより使いやすいものが必要になりました.1743年,職人のシュトレーレは数学的訓練を積んでいませんでしたが,平均律関数の単純で実用的な近似式
(24+10x)/(24−7x)
を与えました.
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