■a^4+b^4=c^4+d^4 (その2)
フィボナッチの等式としてよく知られている恒等式
(a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac−bd)^2+(ad+bc)^2
(a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac+bd)^2+(ad−bc)^2
は簡単に確認できます.
この公式は2つの整数がともに平方数の和の形をしているなら,その2数の積も平方数で表されることを示していて,複素数と2平方和問題との関連を示しています.
フィボナッチの等式,あるいは,ピタゴラス三角形のパラメータ解
a=k(m^2−n^2),b=2kmn,c=k(m^2+n^2)
を使って,4平方和問題
(a^2+b^2+c^2+d^2)(p^2+q^2+r^2+s^2)=x^2+y^2+z^2+w^2
の別のパラメータ解を求めることはできないものでしょうか?
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4平方和問題
x=ap+bq+cr+ds,
y=aq−bp+cs−dr,
z=ar−bs−cp+dq,
w=as+br−cq−dp
とおくと成り立ち,4つの平方数の和となっている数は積の演算で閉じていることを示しています.さらに,任意の自然数は4つの平方数の和の形に表せるというわけです.
また,フィボナッチの等式は2通りの異なる方法で,2つの平方数の和として表すことができることを示しています.たとえば,
50=5・10
5=1^2+2^2,10=1^2+3^2
より,
50=(1・1+2・3)^2+(1・3−2・1)^2=7^2+1^2
50=(1・1−2・3)^2+(1・3+2・1)^2=5^2+5^2
65=5・13
5=1^2+2^2,13=2^2+3^2
65=(1・2+2・3)^2+(1・3−2・2)^2=8^2+1^2
65=(1・2−2・3)^2+(1・3+2・2)^2=4^2+7^2
となります.
a=bまたはc=dのときは,積はたった1通りの方法で2つの平方数の和になります.
10=2・5
2=1^2+1^2,5=1^2+2^2
10=(1・1+1・2)^2+(1・2−1・1)^2=3^2+1^2
10=(1・1−1・2)^2+(1・2+1・1)^2=1^2+3^2
一方,ピタゴラス三角形は2つの平方数の和を,1つの平方数として表すことができることを示しています.
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