■ホイヘンスの等時曲線(その6)
それでは真の等時性を示す曲線はどんなものか?
ホイヘンスはそのような重りの描く曲線はサイクロイドであることを発見し、
重りがサイクロイドを描くようにするには振り子の糸を同じサイクロイドにまとわりつかせればよいことに気づいたのであった。
ホイヘンスの興味は円弧振り子の改良(サイクロイドの利用)から円錐振り子の改良へと向けられることになった。
円錐振り子の重りは回転放物面上の動かなければならない。
重りが回転放物面を描くようにするには振り子の糸を半立方放物線にまとわりつかせればよいことに気づいたのであった。
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サイクロイドとサイクロイド
放物線と半立方放物線
の間には伸開線(インボリュート)と縮閉線(エボリュート)という関係がある。
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伸開線と縮閉線
曲線Lのまわりに巻かれた糸があり、この糸をぴんと張ったままほどくと糸の自由端によって曲線Mが描かれるとします。MをLの伸開線(インボリュート)、LをMの縮閉線(エボリュート)と呼びます。
放物線:y=x2 の縮閉線はy=1/2+3(x/4)2/3 です。逆に、半立方放物線:y2 =ax3 の伸開線は放物線になります。
サイクロイド:x=r(θ−sinθ),y=r(1−cosθ)の縮閉線は
x=a(θ+sinθ),y=−a(1−cosθ)
です。ここで、θ=π+tとおけば
x=a(t−sint)+aπ,y=a(1−cost)−2a
ですから、もとのサイクロイドと合同なサイクロイドになることが示されます。
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