■ホイヘンスの等時曲線(その5)
自然は曲線を創り、人間は直線を作る(湯川秀樹)
円を崇高なものと考えていた古代において、アポロニウスが円錐曲線論を考え出したことは驚くべきことであった。
15世紀のコペルニクスでさえも円が基本の宇宙論であった。17世紀にケプラーの登場を迎えて、やっと円から楕円への踏み出しがなされたのである。
しかし、円から係数がちょっと変形した楕円でさえも、その周長計算(楕円積分)は難しいものであった。
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単振り子(円弧振り子)の等時性を発見したのは16世紀のガリレオであった。
17世紀に登場したホイヘンスは、円弧振り子が揺れ幅が小さい場合に重りの重さに関係なく周期が一定であるという近似的な等時性であることに注目しました。
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それでは真の等時性を示す曲線はどんなものか?
ホイヘンスはそのような重りの描く曲線はサイクロイドであることを発見し、
重りがサイクロイドを描くようにするには振り子の糸を同じサイクロイドにまとわりつかせればよいことに気づいたのであった。
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