■代数学の基本定理とiの1/2乗とガロア理論(その24)
【1】x^4−4x^2−5=0
x^4−4x^2−5=(x^2+1)(x^2−5)=(x+i)(x−i)(x+√5)(x−√5)
より,方程式の解は
α1=i,α2=−i,α3=√5,α4=−√5
である.
α1^2+1=0,α2^2+1=0,α3^2−5=0,α4^2−5=0であるので,α1=iとα2=−iを入れ替えて計算しても全く差し支えない.また,α3=√5とα4=−√5を入れ替えて計算しても全く差し支えないが,α1とα3,α1とα4,α2とα3,α2とα4は入れ替えられない.
すなわち,代数方程式x^4−4x^2−5=0のガロア群Gは
G={[1234],[2134][1243],[2143]}
で,4次対称群S4の部分群で,直積S2×S2と同型である.
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【2】x^4+x^3+x^2+x+1=0
この方程式の解を
α1=ζ,α2=ζ^2,α3=ζ^3,α4=ζ^4
とおくと,
α1^2=α2,α1^3=α3,α1^4=α4,α1^5=1
である.
代数方程式x^4+x^3+x^2+x+1=0のガロア群Gは
G={[1234],[2413][3142],[4321]}
で,4次巡回群で,群Z/4Zと同型である.
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【3】一般の4次方程式
一般の4次方程式
ax^4+bx^3+cx^2+dx+e=0
のガロア群を考えれば,4次対称群S4の部分群で,位数は4!=24の約数である.
根と係数の関係
α1+α2+α3+α4=−b/a
α1α2+α1α3+α1α4+α2α3+α2α4+α3α4=c/a
α1α2α3+α1α2α4+α1α3α4+α2α3α4=−d/a
α1α2α3α4=e/a
を除いて,解の間に代数関係がないからである.
したがって,代数方程式が特別なものであるばあるほど,そのガロア群は小さくなる(ネーターの定理).たとえば,4次対称群S4の部分群で,位数が2の部分群は位数2の元で生成されるから,
G={[1234],[4321]}
となる.
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